FOR CAVIST
Kunitsu-wine:株式会社 國津果實酒醸造所
どうと活きるについて
今回、使用した葡萄は、山形県山形市で葡萄栽培をしている、枝松祐介氏 、 古内重光氏、高瀬康輔氏3名が育てる葡萄を100%使用しました。
彼らは地元が葡萄の一大産地でありながら、担い手不足が原因で葡萄園の廃園が、次々と増えていく現状のなか、地元の名産品を一生懸命作ってきた先輩たちの葡萄をどのように守っていくか、また楽しく運営を継続していけるかをテーマに掲げ、活動をされています。
例えば、歳を老いて、息子さん、娘さんが継続できず、何代も続いてきた葡萄畑を廃棄してしまいそうな場合に、彼らが畑をひきうけ、葡萄園を維持していくという活動をしています。
彼らは仲間を集い、葡萄づくりの醍醐味を共有することで、地元の若者に新たな職の選択と、地域で続いてきた葡萄畑の維持に貢献しようと奮闘しています。
また、もう一つの大切なテーマは、「兼業」ということかもしれません。
枝松氏、古内氏それぞれ、葡萄以外に、他のお仕事をもっています。
その中で、彼らが管理できる畑の規模を踏まえて、労働の分配等、葡萄園をやりくりできるやり方を追求し、「高品質な生食用ぶどう、理想のワイン用ブドウ」の生産をかかげて葡萄園を運営しています。
兼業というと、どっちつかずというイメージを持たれる方がいるかもしれません。
しかし、労力が半端なく、収入が少ないとう農業運営が一般的になりつつある、この日本において、他で収入を得ることで、収入面の不安を払拭し、作業規模を無駄に増やさず、できる範囲にしぼって、畑作業の質向上に精進していくことは、かえって、高品質な葡萄を生産する一つのモデルだと私たちは考えています。
弊社とは、2017年の冬に、株式会社農採土をつうじて、弊社と共にワイン造りすることになりました。弊社スタッフの中子が目指す、「農家のワイン」の考え方に賛同していただき、目標のワインを掲げて、剪定前の冬から栽培シーズンを通して、コミュニケーションをしながら販売の本日まで、やってまいりました。毎年、ワインの出来を確認し、日々一歩ずつ前進できるよう、ぶどうと活きるは活動しています。
2023年のPrimeur仕込みについて
國津果実酒醸造部(中子/野乃花)より
昨年は、造ることができなかったBudoutoikiru プリムール。
今年はBudoutoikiru さんのご協力により、いつもより多く仕込むことができました。
例年は1回の輸送分、1タンク分をプリムール用に醸造していましたが、今年は2回分の輸送を2タンクに分けて醸造することに致しました。
ですので、1回目の分をタイプ1 2回目の分をタイプ2に分けて醸造しています
今回は2回目、9月2日分の葡萄達を使用しました。
糖度21.5PH3.70と一回目と比較するとやや熟が進んだ印象でしたが1回目と同等、きれいな酸味もしっかりとあり
パイナップルのような良い香りを活かした呑み易いワインを目指して醸造いたしました。
今回はホールパンチではなく、できるだけ果実のみで圧搾したいという思いもあり、
一旦除梗し、低圧でゆっくり圧搾いたしました。
丁寧にデブルバージュした後、発酵は14℃下のセラーでオーソドックスにおこない、できるだけクリアな味わいにしたいとの思いから
今回は一切ルモンタージュせずに発酵させました。
比重はできるだけ進ませて1.000で瓶詰めしましたが、今年の特徴なのか味わいは少し甘めになりましたが、
むしろ、とてもさわやかな香りに見事にマッチしており、食前酒、初めの一杯に最適なワインとなりました。
タイプ1と味わいは非常に近いですが、タイプ2の方が若干甘味が強くなり、香りもすこし熟した香りになります。