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Kunitsu-wine:株式会社 國津果實酒醸造所
Edamatsu
ET
Furuuchi
Primeur19
國津果實酒醸造所について
弊社、株式会社 國津果實酒醸造所は、名張商工会議所様をはじめ、三重県名張市の
たくさんの皆様に支えられ、去年、平成30年3月に設立を致しました。
醸造所は、名張市様のご協力の元、廃校となってしまった小学校を醸造施設として改
修し利用させていただいております。
醸造所のテーマは農家が造るワイン。
ワイン造りは、冬から早春に行われる葡萄の剪定から始まります。
農家様が葡萄達と汗をかきながら一緒にワインになる事をめざして、様々な壁を乗り越
えて、手を取り合って、長いシーズンを歩んでいきます。そして、収穫を迎える頃に、葡
萄達は農家様と共に育ち、自分達がどういうワインになりたいかという意思を固めていま
す。
醸造では、その意見を慎重に見極めながら、葡萄達と農家様の導いたワインになるよう
に醸造所で全力お手伝いをしています。
その為、弊社のワイン醸造は、「葡萄8割人2割」という強い信念のもと、醸造を行っ
ております。
リリースするワインに関しましても、葡萄をお預かりする葡萄農家様たちの意見を最大
限に反映したワインを醸造することを目指します。
また、弊社から栽培者様に農法(有機栽培、無農薬、自然栽培等)の指定はしていません。
そのかわりに、葡萄に愛をもって接しているか、葡萄達へのリスペクトはあるかを重視しています。
そのため、國津果實酒が製造する商品は、たとえ葡萄原料を購入させていただいた葡
萄であっても、葡萄を造られた人のご希望が、醸造の方向性を決定します。
で
きるだけ葡萄を造った方が商品のメインとなるようになっています。
醸造作業は、葡萄を最大限に表現できることに重心をおいており、醸造面での介入を最
低限にとどめています。
そのため、弊社の醸造ではたとえアルコール度数が低くなったとしても、糖を足すこ
と、酸を追加することはしていません。発酵に関しましても、野生酵母での発酵となりま
す。また、できるだけ広く多くの皆さまにピュアでありのままに飲んでいただけるように
との思いから、のど越しを意識し、良い意味で水のようにスッと飲めるようなワインに仕
上げることを目標にしています。
また、弊社では自然派等の概念をできるだけ意識しないように心がけています。
農家様と葡萄達、そこに育つ酵母をしっかり表現できる方法を常に探っていますが、ど
のようなお客様にも、広くお客様に楽しんでいただくため、また、ワインの楽しみ方がも
っと自由であるために特別な表記などは、しないようにしています。
品種名に関しましても、お客様にもっと自由に飲んでいただくために、商品に表記して
いません。できれば、お飲みいただいた後にわかるようにと思っていますし、お客様から
ご質問をお受けした場合は、すべてお答えしたいと思っています。
最後になりましたが、國津果實酒醸造所ではワイン醸造に関しても農家様やワイナリー設立のために醸造をやってみたい、
個人的に原料にリスペクトも持ってワインを造りたい方の積極参加を希望しています。
名張をはじめとした各地域の技術の高い葡生食萄農家様達が、ご自身を反映したワインをつくことのお手伝いができれば、
もっとワイン、葡萄酒が楽しくなるのではないかなと思っています。
ぶどうと活きるについて
今回、使用した葡萄は、山形県山形市で葡萄栽培をしている、枝松祐介さん と 古内重光さんの葡萄を100%使用しました。
彼らは地元が葡萄の一大産地でありながら、担い手不足が原因で葡萄園の廃園が、次々と増えていく現状のなか、地元の名産品を一生懸命作ってきた先輩たちの葡萄をどのように守っていくか、また楽しく運営を継続していけるかをテーマに掲げ、活動をされています。
例えば、歳を老いて、息子さん、娘さんが継続できず、何代も続いてきた葡萄畑を廃棄してしまいそうな場合に、彼らが畑をひきうけ、葡萄園を維持していくという活動をしています。
彼らは仲間を集い、葡萄づくりの醍醐味を共有することで、地元の若者に新たな職の選択と、地域で続いてきた葡萄畑の維持に貢献しようと奮闘しています。
また、もう一つの大切なテーマは、「兼業」ということかもしれません。
枝松氏、古内氏それぞれ、葡萄以外に、他のお仕事をもっています。
その中で、彼らが管理できる畑の規模を踏まえて、労働の分配等、葡萄園をやりくりできるやり方を追求し、「高品質な生食用ぶどう、理想のワイン用ブドウ」の生産をかかげて葡萄園を運営しています。
兼業というと、どっちつかずというイメージを持たれる方がいるかもしれません。
しかし、労力が半端なく、収入が少ないとう農業運営が一般的になりつつある、この日本において、他で収入を得ることで、収入面の不安を払拭し、作業規模を無駄に増やさず、できる範囲にしぼって、畑作業の質向上に精進していくことは、かえって、高品質な葡萄を生産する一つのモデルだと私たちは考えています。
弊社とは、2017年の冬に、後述する、株式会社農採土様をつうじて、弊社と共にワイン造りすることになりました。弊社スタッフの中子が目指す、「農家のワイン」の考え方に賛同していただき、目標のワインを掲げて、剪定前の冬から栽培シーズンを通して、コミュニケーションをしながら販売の本日まで、やってまいりました。毎年、ワインの出来を確認し、日々一歩ずつ前進できるよう、ぶどうと活きるは活動しています。
農採土について
株式会社農採土様は、葡萄生産者とワインの醸造社様を繋げるために活動を行っておられる企業です。
私達と「葡萄と活きる」を繋げていただいたのも、この農採土様でした。
農採土様は産地の維持、また技術向上のために、単なる価格での取引がメインとなっていた葡萄生産者と醸造メーカーの間に立って、すこしでも信念ある生産者の声をワインメーカーに、また、ワインメーカーが求める品質を生産者にと熱い思いをもって活動しています。
ワインの醸造者が脚光を浴びやすい現状において、葡萄生産者の存在をもっと高めるために、生産者の想いをワインメーカーにつたえること、また品質や栽培に対する意識を向上させ、高品質なワイン生産をするとで、担い手が少なくなった葡萄栽培の現状を食い止めるため奮闘されております。
いつか、葡萄農家様の名前でワイナリーを選ぶ。
そんな時代が来るかもしれません。
商品について
栽培について/枝松さん、古内さんより。
誰も借りる人がいない園地を借りて3年目が無事終わりました。初めはちゃんと栽培が出来るかわかりませんでした。
ただ、生まれ育った地元の農業が後継者不足や高齢化などの問題で荒れて無くなってくのを少しでも減らせたら、そして、もっと若い人達にも興味をもってもらえたらという思いでやって来ました!
兼業で時間がなくても農業はできるし農業は楽しいとわかりました。
3年間天気や病気、整理現象などたくさん悩みましたが農彩土さんや國津果實酒醸造所さんのご協力があってここまで3年間品質と収量を安定させることができました!
今年は暖冬の影響で冬の積雪が少なく(人間にはありがたい)春の雪解けが早く、根っこが動くのが早く芽だしも早かったです。
ただ春先は寒いので、そこで生育が少し停滞してしまいました。
夏になると猛暑が続きぶどうは房が日焼けしてしまうなど天候にはすごく左右されました。ただ夏の終わり頃には日射量が多く寒暖差もあり良い葡萄が出来たと思います!
醸造について
今年も枝松さん、古内さんと協議の元、前回微発砲だったので、今度こそビールのようなワインを目指して、今回も1時発酵での仕込みをしました。
宿題だった、PHは3.4台とかなり良かったこと、また綺麗な酸がスッと消える雰囲気が心地よく、できるだけグズつかせず、さっと終わることを目標に。
最初のデブルバージュ時にしっかり、空気を入れて澱引きし、この空気に含まれる酵素をお守りに発酵へとのぞみました。
発酵が始まると、とても優等生で、グズつくことも無く、順調に進みました。
また、こちらからの温度変化など、酵母を動かせすぎると弱くなる恐れもあったため、基本的には14℃のセラーで、日々の分析をしながら作業をしていました。
かなり元気な子でしたので、瓶詰めまではしっかりガスを出し発酵してくれました。ガスで吹くのを避けるため、すこし勇気がいりましたが、今回はあえて比重が切れて、スティルになる直前でかつ、発酵の余力のあるうちに瓶詰をしました。
今回は発砲感をクリアすることができたと思います。
味わいは、少しこもった印象もありますが、パイナップルとリンゴコンポート
昨年と比べるとガス感はあります。
できるだけ吹かないであろう比重で詰めてますが、万一のこともありますので、
良く冷やしてから(抜栓の最低一時間前は冷蔵庫!)お召し上がりください。
来年は澱をなくす事が目標になります💦
醸造データ
葡萄/デラウェア
アルコール度数/11%
葡萄栽培地/山形県山形市本沢
農法/慣行栽培(農薬は最低限に抑える)
醸造方法/瓶内壱次発酵
収穫日/2019/9/8、9/9
糖度 21.5℃ 比重1085 PH3.34
醸造フローチャート
9/10
葡萄を圧搾(ホールパンチ)
↓
タンク搬入(ドライアイス入れる)
デブルバージュ期間(泥下げ)
↓
9/13
上澄み果汁を移動(この時、液送ポンプの勢いを強くすることで、空気をしっかり入れながら移動)
↓
発酵開始
↓
9/26 発酵収まり、少しガス感あるところで瓶詰
醸造中分析データ
値段などについて
商品名/EdanatsuEdamatsuEtFuruuchiPrimeur19
容量 375ml(総数1540本) 希望小売価格1500円(税別)